イレイサースタンプとは?
イレイサースタンプは「消しゴムはんこ」「消しゴムスタンプ」「消しゴム印」など、消しゴムをスタンプ状に加工して楽しむクラフトホビーの総称です。
やわらかくて彫りやすい「消しゴム」を使用したスタンプホビーは、大人から子供まで幅広い年代に楽しまれています。2005年頃から世界に先駆けて日本でブームとなり、現在はアジアやヨーロッパなどにも愛好家が増えています。英語圏では「Eraser Stamp」、中華圏では「橡皮章」と呼ばれ、SNSにも世界の愛好家による作品が投稿されています。また、彫った消しゴムを版画として楽しむものは「消しゴム版画」「Eraser Print」と呼ばれています。
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イレイサースタンプの魅力
幅広い技法・表現方法で奥の深い世界が広がるイレイサースタンプは、家庭内でホビーとして楽しむ愛好家に加え、オリジナルの手づくり消しゴムはんこをイベントやショップ、インターネットで販売する「消しゴムはんこ作家」「イレイサースタンプクリエイター」「イレイサースタンプアーティスト」も増えています。
どんな道具や材料が必要なの?
イレイサースタンプは、どこにでも売っているプラスチック消しゴムとカッターや彫刻刀、そして朱肉やスタンプ台などがあれば誰にでもすぐに始めることができます。消しゴムはんこ用・消しゴム版画用に開発された彫りやすい消しゴム板や、大きな図柄向けのはがきサイズの消しゴム板、専用に開発された三角刀や丸刀なども発売され、スタンプ台もカラフルな単色タイプや、グラデーションタイプ、布や木材にも使用できるタイプなど種類も豊富です。これらの道具・材料は文具店やクラフト・ホビーの専門店、インターネットショップなどで購入することができます。また、ダイソー、セリア、キャンドゥなどの100円ショップなどでも一通りの道具を揃えることができるようになりました。
定義について
消しゴムはんこ、消しゴム版画、それぞれの違い
どちらも「消しゴム」を使って印(版)を作り、彫り方や使用する道具もほぼ共通していることから、現在では「消しゴム版画」「消しゴムはんこ」「消しゴムスタンプ」「消しゴム印」は、ほぼ同義のように捉えられていますが、厳密には「消しゴム版画」と「消しゴムはんこ・消しゴムスタンプ・消しゴム印」に大別されます。
消しゴムはんこ・消しゴムスタンプ・消しゴム印
彫った消しゴムを手に持って、インクをつけて「捺す(押す)」ものを「消しゴムはんこ」および「消しゴムスタンプ」「消しゴム印」といいます。彫った消しゴムは「はんこ」「スタンプ」「印」と呼び、スタンプアートの技法を元に楽しみます。国際的な呼称としては英語圏では「Eraser Stamp」、中華圏では「橡皮章」と呼ばれています。
消しゴム版画
消しゴムを彫った面を上に向けて置き、インクをつけて消しゴムの上に紙を置いて「摺る(刷る)」ものを「消しゴム版画」といいます。彫った消しゴムは「版」と呼び、凸版画の技法を元に楽しみます。英語圏では「Eraser Print」または「Erasercut Print」とも呼ばれています。
時代と共に変化してきた定義
2000年代中盤に日本で流行しはじめた「消しゴムはんこ」は「消しゴム版画」「消しゴム印」「消しゴムスタンプ」など様々な表現でほぼ同義のように捉えられていた時代がありましたが、愛好家が増え、日本以外にもブームが広がったことにより、2010年代後半以降、定義が明確に分かれています。
形状が同じでも「捺す」か「摺る」かで呼び方が変わる
現在は彫った消しゴムをスタンプとしてインクをつけて紙などの上に「捺す(押す)」ものを「消しゴムはんこ」「消しゴムスタンプ」「消しゴム印」「イレイサースタンプ」、彫った消しゴムを版画としてインクをつけて紙を乗せて上から「摺る(刷る)」ものを「消しゴム版画」「イレイサープリント」と定義されています。
消しゴムを彫った形状が同じでも、手に持って上から捺せば「消しゴムはんこ・消しゴムスタンプ・消しゴム印・イレイサースタンプ」と呼び、消しゴムを下に置いてインクをつけ紙を乗せて摺れば「消しゴム版画・イレイサープリント」と呼びます。