スヌーピー消しゴムはんこで偽グッズ、34歳女逮捕

 人気キャラクター「スヌーピー」のデザインと文字を使用した消しゴムはんこを自作し、スマートフォンのカバーなどに捺して販売していた大阪市旭区の無職の女(34・報道では実名)が逮捕されたことを複数のメディアが報じた。逮捕された女は「生活に苦しく、スヌーピーは人気だったから」と容疑を認めているという。

 報道によると、2018年11月14日に商標法違反および不正競争防止法違反の疑いで奈良署が女を逮捕。女は英国のピーナッツ・ワールドワイド・エルエルシー社が商標権を持つ「SNOOPY」の文字とスヌーピーに酷似した犬の消しゴムはんこを自作して印影を捺したスマートフォンカバー、小銭入れ、キーケースの計3点を2018年5月25日~8月3日頃にかけてフリーマーケットサイト上で県内外の女性3人に計4,950円で販売した疑い。女は自分で消しゴムを彫って50種類以上のスヌーピーのスタンプを用意し、偽グッズを作っていたという。







報道では実名、住所も公開された

 奈良署によると、県警のサイバーパトロールで発覚し、逮捕同日に容疑者の女の自宅を家宅捜索。約10品目約100点の偽グッズを押収した。今回の逮捕については合計3点・計4,950円の販売に対する容疑だが、女は2016年秋頃からの約2年間で約600点を販売し、約130万円を売り上げていたという。

 このニュースは逮捕同日の夕方には新聞・テレビ・Webニュースサイト等で実名報道され、一部のメディアでは住所も公開された。「このくらいなら大丈夫だろう」という甘さが、インターネット上に犯罪者として永遠に記録が残り続ける悲劇を招いた。


知的財産権の侵害を甘く見た代償

 かねてより消しゴムはんこ愛好家やオリジナル作品の販売をしている消しゴムはんこ作家の間では、スヌーピーやディズニー、ポケットモンスターなどの人気キャラクターやアイドルグループのロゴマーク等の消しゴムはんこや、その印影を使用した雑貨などをフリーマーケットサイトなどで違法に販売する出品者が後を絶たない事が問題視されていた。SNSなどでも人気キャラクターのデザインを使用して「お名前はんこ」等のオーダー制作を受けている違法行為も多数見られる。

 自分が創作した著作物ではないデザインやロゴマーク、商標を権利者に無断で使用して販売することは違法であることは一般常識であるが、軽い気持ちで出品する者も多い。人気キャラクターに限らず、他の消しゴムはんこ作家のモチーフを真似して無断で販売することも違法である。

 また、公共の場所に権利者に無断で展示することも違法であるが、2015年には消しゴムはんこ関連の著書を数冊出版していている女性作家が、東京都内のイベントでスヌーピーの消しゴムはんこを使用した作品を展示しようとして大きな批判を集めた事例もあり、著作権や商標権などの知的財産権の侵害に対する考えの甘さがトラブルやネット炎上を招くきっかけにもなっている。







売らない、買わない、通報する

 消しゴムはんこに関する違法出品においてはスヌーピーのモチーフは特に多く、「いつか逮捕者が出るのでは」「某フリマサイトやオークションサイトは無法地帯」「消しゴムはんこのイメージが悪くなるからやめてほしい」と、オリジナルの消しゴムはんこを販売する「正当な」作家たちの間では長年問題視されていたことだが、フリーマーケットサイトでは一般ユーザーが違法出品の通報をしても多くが取り消されないという現状があった。

 今回の逮捕は県警のサイバーパトロールによる発覚となったため、フリーマーケットサイトに通報するよりも、都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口にメールなどで相談した方が違法出品撲滅には効果的ともいえるだろう。

(2018年11月25日配信・消しゴムはんこライブラリー編集部)


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