いくら儲けてる?は作活女子の「タブー」な話題
消しゴムはんこをはじめ、ハンドメイド作品の制作や販売、講師活動を通じて充実した毎日を送る女性が増えている。ハンドメイド作家ウォッチャーがそんな女性たちの本音に迫る、イマドキの作活(作家活動)事情をお届けするルポタージュ『ハンドメイド作活白書』。
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オリジナルの手作り作品の販売ブームから、ハンドメイド販売サイトの普及やハンドメイドイベントの開催も全国で増加し、ハンドメイド作家を目指す人が増えている。作家活動をしている人同士の間では「タブー」とされる話題があるという。それは「売上」や「利益」などお金にまつわる話題だ。
東京近郊に住むCさんは30代の既婚女性。大型ハンドメイドイベントに出展して手作りの雑貨小物を販売している。「イベントでいろんな作家さんと知り合いますが、デリケートな話題なので売上のこととかお金に関することをストレートに聞いてくる人はあまりいませんね。いたとしても初心者の人とか、イベントにあまり出たことがない人ですね」とCさん。売上を聞かれても正直には答えず、少し控えめな金額を伝えたり、逆に売上を多く「盛ったり」するという。
「やっぱり正直に答えるのは抵抗がありますよね。話しをしていてなんか嫌な感じだなぁという人やデリカシーがないなぁという人には実際よりも多い金額を言っちゃいます。私だけじゃなくてほかの人もそうしているんじゃないかな」
Cさんは作家同士で売上や利益の話をしてもあまり意味がないという。見栄を張る人や、妬みを恐れて控えめにいう人もいるからだとか。また、作る物やかけるコストが違っている以上は他人の売上は参考にならないそうだ。
「私の場合はイベントに出ればまったく売れないということはないのですが、黒字になったとしてもほんの数千円です。イベントで他の作家さんの作品でかわいいと思ったものはついつい買ってしまうので、黒字の分なんてすぐに吹き飛んでしまいます」と笑った。
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アレクサンドリーネ瀧山:ハンドメイドの世界をウォッチするライター。
※記事中のコメントは取材協力者の主観に基づくものです。また協力者の意向によりプロフィール等には一部フィクションが含まれている場合があります。
(ライター:アレクサンドリーネ瀧山/2017年9月21日配信)