「第1回国際イレイサースタンプ品評会」において金賞に選出された作家さんにインタビューを行い、受賞作品の制作プロセスや制作秘話等、普段あまり語られることのないお話をご紹介する『金賞受賞者の横顔』。今回は櫻庭恵美さんの登場です。
櫻庭恵美さん(秋田県在住)
~日本の美と魅力を作品に~
開催委員会(以下●):
金賞を受賞された感想をお聞かせください。
櫻庭恵美さん(以下◆):
驚きと嬉しさと感謝です。
票を投じてくれた方、一人一人にお逢いして「ありがとう」を伝えたいくらいの気持ちでいっぱいです。
自分の頭の中で描いたデザインと彫りの美しさまで評価していただけた事は自信に繋がりました。全作品が金賞レベルの中で僅差で受賞できたであろう事を考えると今まで以上に妥協することなく、もっともっとデザイン力と技術力を高めていこうという向上心が強くなりました。金が錆びることなく、楽しむ事を基本に沢山の人に愛される作品作りしていきたいと思います。
●:
受賞された作品のテーマとしたもの、またはコンセプトとしたものを教えてください。
◆:
テーマは【JAPAN~和~】です。世界には美しいと感じる物や、景色は沢山ありますが、私は日本の美しさが世界一だと思っています。自然の草木、古来からの文化、建物、日本料理、作法とどれをとっても美しいと思える日本の魅力が伝わればいいなという作品にしてみました。
●:
アイデア・図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?
◆:
3週間ほどです。
何作がラフ画を描き出して、清書してトレースまで1週間で彫りの作業は2週間くらいかけて毎日丁寧に少しずつ彫りすすめて仕上げました。
●:
作品の制作で苦心した点を教えてください。
◆:
円、丸の部分です。ハガキサイズの消しゴムを回転させて丸く円に彫るには、安定しずらく歪みやすく苦労しました。扇子の線も均等にすることを心がげましたが思った以上にばらつきむずかしかったです。
~制作中は緊張と集中の連続~
●:
作品の制作で特にこだわった部分、ここに注目してもらいたい!という部分を教えてください。
◆:
こだわった部分は全体ですね。すべて緊張と集中で彫りましたので。
注目部分は手鞠模様や桜の散る様子です。
●:
今回の作品の制作にはどのような道具を使いましたか?また、普段の制作に使用している道具と、その道具を使用する理由やこだわりがございましたら教えてください。
◆:
出品作品はデザインカッターのみで仕上げました。
普段もデザインカッターを主に使用していますが、余白は丸刀と印刀曲、カマクラ曲刀を使っています。広い余白と狭い余白で使い分けしています。
●:
あなたの彫り方のタイプを教えてください。(例:置き彫り・手持ち彫り等々)
作品の大きさによって彫り方を使い分けている場合はそれらも教えてください。
◆:
置き彫りです。
引き彫りと押し彫りは部分的にやりやすいほうで彫り分けてます。
お忙しいところインタビューに対応していただいた櫻庭恵美さん、本当にありがとうございました!
https://ameblo.jp/lesamis-hanko/
(国際イレイサースタンプ品評会開催委員会:2017年7月28日配信)