消しゴムはんこで素敵に輝く女性を紹介するシリーズ「dream Woman」。今回は「消しゴムはんこライブラリー」のWebコラム連載が大人気のはしもとあやのさん(aya*pecorun)が登場です。
手芸が大好きな少女が家庭科教員に。そしてハンドメイド作家へ。
広い北海道の大地で、札幌を中心とする道央エリア、そして函館方面となる道南エリアにかけて、幅広いエリアでレッスンを手掛けている人気作家がいる。『aya*pecorun』の屋号で活動する、はしもとあやのさんだ。
はしもとさんは子どもの頃から手芸が得意で、中学生の頃には布製のテディベアを、高校生の頃には「あみぐるみ」をよく作っていたという。
「手芸好きをきっかけに大学では家庭科を専攻し、家庭科教員として就職しましたが、ゆっくり手芸を楽しむ時間は減りました。それでも手軽に続けられたというのが理由であみぐるみだけは続いていました。」
そして教員時代に中学校の授業の題材探しから「消しゴムはんこ」との出会いへ。
「消しゴムはんこは、中学校勤務の際に選択美術の授業を担当したのがきっかけで出会いました。少人数での授業になるので、あまり道具・材料費のかからない題材を探し、先に決めていた切り絵で使うカッターを使って他のことができないかなと思っていたところに、当時販売されていた本を見つけて扱うことにしました。」
そして結婚を機に教員を退職。結婚式にはものづくりが大好きなはしもとさんらしい、手作りの素敵な「おもてなし」をしたという。
「仕事をやめたばかりで時間があったので、今思うとすごく色々なものを作りました(笑)」
グルーガンで作ったシーリングスタンプで招待状の封、切り絵でウエルカムボード、あみぐるみでウエルカムベアなどひとつひとつ手作りし、プチギフトや披露宴中のゲームのプレゼントのラッピングに使った夫婦ふたりの似顔絵はんこも作ったという。そしてご主人とふたりで準備した特別な結婚式をむかえた後は、ハンドメイド作家としての活動をスタート。
「結婚式に向けて色々な手作りグッズを作りたかったので、夏の式が終わった9月頃から本格的に作家活動を始めました。最初は、ずっと続いていたあみぐるみで作家活動をしたいと考えていましたが、準備期間中に色々と情報を集めているうちにオリジナル作品でないといけないことなど、無知なことが多かったので、わかりやすい布作品から始めることにしました。この頃に知り合った方から、消しゴムはんこの作品は作れないかというお話をいただいたのがきっかけで、販売用の作品を作るようになりました。その後、あみぐるみもオリジナル作品を作れるようになったので、現在のスタイルに落ち着きました。」
「結婚」から始まる作家活動、ブランド名にも家族の絆。
結婚式のウェルカムベアと共に並べられた3匹の犬と猫のあみぐるみは、それぞれ独身時代からご主人が飼っていた2匹の猫と、はしもとさんが飼っていたミニチュアシュナウザーがモデルで、家族として仲良く暮らす3匹は、はしもとさんのブランド名の由来にも。
「実は、最初はハンドルネームとして考えたもので、呼ばれることを想定して名前を入れました。本名は『あやの』ですが『あやちゃん』と呼ばれることが多かったので【aya】とし、そのままではたくさんいそうだったので、ペットの名前の頭文字を入れました。『ぺーた』の【pe】、『クッキー』の【co】、『るー』の【ru】を色々並び替えているうちに、ダンナさんの頭文字【n】も入れて家族全員で読みやすく収まったというわけです。」
札幌で本格的に活動後、地元企業でも作品が注目される。
あみぐるみ・布小物と共に、消しゴムはんこも手掛けるハンドメイド作家として札幌を拠点に活動を始めたはしもとさん。消しゴムはんこの分野では動物などかわいいキャラクターを中心に、細い線を活かした作風が魅力的で消しゴムはんこ教室もすぐ人気に。
札幌の人気商業施設のバレンタインキャンペーンに作品が起用されたり、老舗デパートが企画するイベントでは北海道の注目の手作り作家に選ばれて作品が販売されるなど企業からも注目される存在に。
消しゴムはんこの総合情報サイト「消しゴムはんこライブラリー」で連載コラムをスタートしてからは全国的な知名度も高まっている。消しゴムはんこ制作に便利な道具や収納方法を紹介するコラムは女性ならではの視点で人気を集めている。その紹介基準とは?
「基本的には安くて便利なものです(笑)。道具は良いものを使いなさいという言葉にあるように、よほど高価でなければ機能性を重視してメーカー品も買います。自分にとって使用頻度が高いもの・作業効率が上がるものという判断基準で選んでいます。」
道央と道南、広い北海道のさまざまな場所でこだわりのレッスン。
連載コラムのように便利なアイデアを惜しみなく伝授するレッスンや消しゴムサークルも人気に。ご主人の転勤で道南の八雲町に移り住んでからは札幌だけではなく道央・道南の広範囲でレッスンも。そのこだわりとは。
「まずは、彫るだけでなく、捺して何かを作って持って帰れることでしょうか。また、その回で扱うテーマによって種類の違うインクがたくさん使えること、自宅で続けたいと思った時に扱いやすい100円アイテムを活かすこと、と同時にオリジナルアイテムも入れること、はんこ作りに便利な文房具情報などレッスンの会話から得られる情報をピックアップすること…などを大切にしています。」
いまや北海道を代表する消しゴムはんこ作家のひとりとなった、はしもとさんの次の目標や夢とは。
「技術的にも知識的にもまだまだ向上したいです。自分の心構えと準備次第で可能なこととしては、東京進出をしてみたい思いはあります。チャレンジや夢という点では、本を出すとか個展を開くとか、まだ定まってはいませんが大きなこともいつかやってみたいと思っています。漠然としていますが、とにかく向上心は常に持っていたいです。」
はしもとあやの: 北海道を拠点に「aya*pecorun」の屋号で活動する消しゴムはんこ作家。道央・道南エリアにかけてさまざま教室を手掛けている。
http://ayapecorun1012.blog136.fc2.com/
https://www.facebook.com/ayapecorun.hanko
※このインタビューは「ES-JAM」2016春号に掲載されたものを再編集して掲載しています。