消しゴムはんこファンの皆様、ごきげんいかがでしょうか。
昨年11月に開催された「第7回国際イレイサースタンプ品評会」において最高金賞ならびに金賞を受賞されました作家の皆様に、受賞の喜びなどをお伺いして皆様にお届けしている「受賞者インタビュー」を今回も実施いたしました。
今回皆様にご紹介するのは、初エントリーで見事金賞に輝いた「うしこしりささん」のインタビューです。
第7回国際イレイサースタンプ品評会
金賞 うしこしりささん
― この度は金賞受賞おめでとうございます。はじめに、受賞された感想を教えていただけますか?
うしこしりささん:
ありがとうございます!
初めての出展で自分のなかでは挑戦の意味合いが強かったですが、たくさんの方に投票いただき、金賞を受賞できたことはとても嬉しかったです!これからの励みになりました。
― 初エントリーにして金賞受賞という本当に素晴らしい結果でした。では早速今回のエントリー作品についてお伺いします。非常にリアルに描かれた猫を主役に据えたデザインで、描かれた猫のポーズもとても愛くるしいですよね。全体のバランスも含めしっかりまとめ上げている印象を受けましたが、描き上げるまで苦心した点などはございますか?
うしこしりささん:
苦心することはありませんでした。
昔からじっくり考えて制作をすると、途中で「これでよいのか…?」とやりたいことが分からなくなり、納得のいかない作品になっていました。自分の癖に気付いてからは、とにかく短期間で完成させることを意識しています。
― 短期間、といいますとどれくらいでしょうか?
うしこしりささん:
今回は彫りたいモチーフを考え、頭のなかで図案を完成させて、下絵から彫り上げるまで4日間程で、最初のイメージからデザインの変更もしていません。
― それは早いですね!それから作品を拝見していて主役の猫の毛並みと枠となる周囲の部分で彫り方を変えているように思ったのですが、具体的にどのような道具を使いどういった手法で彫り進めたか教えていただけますか?
うしこしりささん:
ほぼデザインカッターで制作をしています。猫の毛並みは、鉛筆デッサンをするようにカッターを立てて削るようにしています。枠や植物については、基本の彫り方で進めました。
― なるほど、同じ道具で彫り方を変えていたんですね。ところで、今回の受賞作品を改めてご覧になってどのような点が審査投票の際に支持されたとお考えですか?
うしこしりささん:
今回は多くの方に自分の消しごむはんこの作品を観ていただく初めての機会でした。支持された部分に繋がったかは分からないのですが、わかりやすいモチーフと迷いのないデザイン、パッと見て伝わりやすいことを意識して制作しました。
― たしかに一目見てすぐわかるモチーフとデザインですよね。インパクトもありますし(笑)。ちなみに今回のエントリー作品以外にご自身が作品を制作するにあたり、どのような点を最も大切にして制作に取り組んでいますか?
うしこしりささん:
今回の作品に限らず、動物が好きで、特にペットをモチーフにすることが多いです。自分も猫と犬を飼っているので日々感じているのですが、ちょっとした毛の流れや小さな模様、耳や鼻、口の細かなかたちが愛おしいポイントだと思っています。そのため、自分の作品のなかでも小さな個性を見逃さずに、できる限り細かい部分を表現することを心がけています。
― ありがとうございます。こうしてお話をお伺いしていて、うしこしさんは作品の対象となる動物たちへの愛情と非常に細かい観察眼、そして作品制作時に発揮されるずば抜けた精神集中力の高さをお持ちであると思いました。
― 話は変わりまして、第7回品評会から印影への着色・加工が全面的に禁止されましたが、このルール変更によって何か工夫されたことや作品のスタイルに変化が出た等の影響はございましたか?
うしこしりささん:
これまで印影に着色や加工をしたことがなかったので、特に影響はありませんでした。
― ありがとうございます。ところで、今回金賞を受賞されたことでご自身の中で消しゴムはんこに対する見方や考え方・捉え方に変化はありましたか?
うしこしりささん:
今回出展した時点で自分のなかで大きな変化と影響があったように思います。今まではSNSもほぼやらず、消しごむはんこを作っている方々の作品を観ることもありませんでした。出展したことで、自分の作品と他の出展者の方々の作品を観て比較することもでき、自分の足りない部分がよく分かりました。また、多くの方に観ていただくことで、大きな励みになりました。
― 多くの方からの支持を集めての金賞受賞ですし、大きな励みになりますよね。ちなみに今後品評会へのエントリーをご予定されていますか?
うしこしりささん:
ぜひ出展したいと思います。
― 新作を拝見できるチャンスがあるということですね!楽しみにしております。では最後になりますが、消しゴムはんこ作家としてご自身が目指す姿というのはございますか?
うしこしりささん:
私にとって消しごむはんこは表現する選択肢のひとつと考えています。自分が作品を制作する際にその作品に最適であれば、消しごむという「素材」を使いたいと思っています。なので、最近は「消しごむはんこ作家」という名前ではなく、肩書をどうしようかと考えているところです…。
今は制作するモチーフにペットが多いため、ペットを飼っている方にご依頼していただき、出来上がった作品を使って、笑顔になってくださることに私も喜びを感じます。今後も技術を磨きながら、自分が納得できる作品をつくり続けられたらと思います。
― 作家として表現手段が複数あるというのは大きな武器でもありますよね。そういう意味では、あえてひとつの肩書に自分自身を縛ることをせず複数の肩書を作品に合わせて使い分ける…というのも一案かと思います。ハンドメイド作家としての今後のご活躍を本当に期待しております。本日はありがとうございました。そして金賞受賞、本当におめでとうございました。
うしこしりささん:
ありがとうございました。
うしこしりささんの情報はこちらでチェック!
https://www.instagram.com/ushirisya/
第8回国際イレイサースタンプ品評会は2021年12月5日開催!
あなたも金賞を目指してみませんか?
詳しくは「国際イレイサースタンプ品評会」公式サイトをご覧ください
https://www.artcraftfesta.com/contest
(国際イレイサースタンプ品評会開催事務局 / 2021年3月14日配信)