消しゴムはんこファンの皆様、ごきげんいかがでしょうか。
昨年11月に開催された「第7回国際イレイサースタンプ品評会」において最高金賞ならびに金賞を受賞されました作家の皆様に、受賞の喜びなどをお伺いして皆様にお届けしている「受賞者インタビュー」を今回も実施いたしました。
今回皆様にご紹介するのは、第6回品評会に続き二回連続の金賞受賞に輝いた「はんこやHANABIさん」のインタビューです。
第7回国際イレイサースタンプ品評会
金賞 はんこやHANABIさん
― この度は二回連続二度目の金賞受賞おめでとうございます。はじめに、受賞された感想を教えていただけますか
はんこやHANABIさん:
とても驚きました。今回は作品を作っている間からあまり自信がなく、選んでいただけてとてもうれしかったです。他の皆様の作品もすごかったですし、自分の中でも、前回の作品で思い通りにいかなかった部分を消化したい、という気持ちで作ったところもありましたので。
しかも、発表の日を間違えて覚えていて、最初に見たのは受賞インタビューの依頼メールでした(笑)めちゃくちゃびっくりしました。しかもインスタのコメントに「ダブル受賞おめでとうございます!」とあって、慌てて受賞作を見に行きました(笑)
― なんと!そうだったんですね(笑)。では続きまして作品についてお伺いします。今回のエントリー作品は、第6回品評会で金賞を受賞された作品のストーリーと関連のある作品とお伺いしております。そのあたりについてお話をお聞かせいただけますでしょうか?
はんこやHANABIさん:
まず、作品についてですが、今回はシカと森の共存の問題を伝えたくて、それをテーマにしました。シカは生き延びるために草を食べますが、エサがないと木の若木を食べてしまいます。その結果、新しい若木が育たず、老木ばかりになる森が出来上がってしまいます。でも、果たしてそれはシカが「悪」なのだろうか…と。このもやもやした感覚を作品に詰め込みました。(→ 詳しい物語ははんこやHANABIさんのインスタグラムにてご紹介しています。ぜひチェックしてみてください!)
― なるほど。
はんこやHANABIさん:
そして前回は、夜の森の中の神秘的な「光」を描きたくて、そこに自分の中にあったストーリー「森の薬屋さん」を当てはめた形で作りました。今回は、表現を全く変えることも考えましたが、「光」をもっとうまく表現したい、「水」という物体を美しく描いてみたい、という2つのことがやりたかったので、いろいろ考えて続きとして制作しました。
― そうだったんですね。
はんこやHANABIさん:
はい。前回と構図をあまり変えていないので、うさぎの薬屋さんのキャラクターは出ていませんが、一体感は出せるかなと。それに、こっそり前回と同じ、「木のうろの中から他の場所のドアへ続いている」という表現を入れています。小さいころから木のうろの中は未知の世界が広がっていそうで、わくわくしていたので。
― いやぁ…これほどまで緻密に練り上げて制作されていたんですね。本当に凄いです。そして恥ずかしながら、今のお話をお伺いして初めて前回と同じ「木のうろ」のモチーフを採り入れていたことに気が付きました。そういった部分でも関連性を表現されていたんですね。ところで、今回の受賞作品を改めてご覧になって、どのような点が審査投票の際に支持されたとお考えですか?
はんこやHANABIさん:
実は、全くわかりません…バランスよくはできたかな、と思いますが、他の方の作品がすごすぎて全然評価していただける気がしなかったので、難しいですね。
強いて言うなら、全くの想像でなく、リアルの模写だけでなく、双方を織り交ぜつつ作ったことと、私の伝えたいメッセージをちゃんと投票者の方が汲み取ってくださったからかな…と。難解なメッセージをよく受け止めてくださったな、ととてもありがたい思いです。私の力ではなく、投票者の皆様の受け取る力です、きっと。
― なるほど。とはいえ、多くの方に伝わるメッセージ性をわかりやすく明確に作品に織り込むのは至難の業ですよね。では、今のお話を踏まえてお訊きしますが、作品を制作するにあたりどのような点を最も大切にして制作に取り組んでいますか?
はんこやHANABIさん:
テーマに関してのこだわりは、伝えたいことをしっかり入れることです。「伝わらないからカットしよう」ではなく、「伝わらなくてもいいから伝えたい」ということを余すことなく盛り込もうと思いました。
彫り方のこだわりは、線はできるだけきれいに彫らないようにしています。PCで作ったようなデザインならPCで作ればいい、という考えなので。手で彫っているからこその表現方法を今後も模索できればと思います。PCデザインでは絶対できない領域を確立できたら嬉しいですね。
― 素晴らしいですね。今のお話から、今回のエントリー作品が多くの方に支持された理由の一端が見えた気がします。エントリー作品をご覧になった多くの方が作品に込められたメッセージを感じ取ることができたのは、伝えたいメッセージを作品の中に取り入れて自分自身のスタイルで作品として表現することができる卓越したスキルとセンスによるものではないでしょうか。ここまで一連のお話をお伺いしてきて、私はそのように感じました。
― ところで、第7回品評会から印影への着色・加工が全面的に禁止されましたが、このルール変更によってエントリー作品の制作に際して何か工夫されたことや作品のスタイルに変化が出たことはございましたか?
はんこやHANABIさん:
作品自体はあまり変わっていませんが、前回以上に白黒でどれだけ表現できるかな、と燃えました。水も光ももちろん難しいのですが、輪郭だけ彫るのか、中を白抜きで彫るのか、暗い部分の隣同士をどう表現するのか、シルエットなのか…など、前回よりも考えすぎて頭が痛かったです(笑)
― かなりご苦労されたようですね(笑)
はんこやHANABIさん:
はい(笑)。結果、60点くらいの表現しかできなかったのですが、伸びしろがあるということで…(笑)。前回は「ええい、とりあえず線だけ残したれ!」という感じだったので、一応成長はしました。
― まだまだいけそうですね、期待しております。話は変わりまして、金賞を受賞されたことでご自身の中で消しゴムはんこに対する見方や考え方・捉え方に変化はありましたか?
はんこやHANABIさん:
もともと、作品を自己満足で終わらせたくないので、できるだけ評価してほしい、という思いはあり、評価していただくに値する作品ができたことは嬉しく思います。ただ、金賞=ゴール、という世界ではないので、あまり深くは考えないようにしています。これからが大変というか、ここまで評価してもらったからには手抜きできないぞ、という気持ちですね。
― 先ほどの「伸びしろがある」というお話と併せ、今後が本当に楽しみなお話を聞くことができてとても嬉しいです。ということは、今後の品評会へのエントリーもある、と考えてよろしいでしょうか?
はんこやHANABIさん:
もちろんです。ただ、同じ物語でいくか、他の表現も試すか、それは迷っています。
― いやぁ、これは期待できますね!次回のエントリー作品が楽しみなのはもちろんですが、品評会とは別に今後どのような作品が生まれてくるのか本当に楽しみにしております。本日はありがとうございました。そして二回連続の金賞受賞、本当におめでとうございました。
はんこやHANABIさん:
ありがとうございました!
はんこやHANABIさんの情報はこちらでチェック!
https://www.instagram.com/hankoyahanabi/
第8回国際イレイサースタンプ品評会は2021年12月5日開催!
あなたも金賞を目指してみませんか?
詳しくは「国際イレイサースタンプ品評会」公式サイトをご覧ください
https://www.artcraftfesta.com/contest
(国際イレイサースタンプ品評会開催事務局 / 2021年3月9日配信)