消しゴムはんこ作家・木村明子さん(くま五郎本舗)の連載「木村明子のさんぽではんこ」をお届けします。(毎月18日頃更新予定)
2016年が始まりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。千葉県を拠点に活動している消しゴムはんこ彫り、木村明子と申します。
「木村明子という人物が各地を散歩してはんこを作る」というこの連載、今回はお仕事仲間であるおふたりと、東京の深川にて七福神巡りを致しました。
私たち3人が都営大江戸線森下駅に到着したのは午前10時半のことでした。改札を出たところで、紫の旗を持ったツアーの人たちに出会いました。紫の旗の人たちにまぎれたり追い越したり違う道を歩いたりしながら結局ほぼ同時に到着したのは最初の目的地、深川神明宮(寿老人)です。境内には紫の旗の人たちと共に保育士の皆様に連れられたおちびちゃんたちがたくさん訪れてました。おちびちゃんたちは点呼や手水に忙しそうなので先におまいりをさせてもらい、次の目的地に向かう時、偶然にもまた紫の旗の人たちと同時に出発となりました。
再びまぎれたり追い越したり違う道を歩いたりしながら結局ほぼ同時に到着したのは深川稲荷神社(布袋尊)です。こちらの神社ではお茶が振舞われたりしていてなかなか混みあっておりました。おまいりをし、その後もその場にふらふらとおりましたらいつのまにか紫の旗の人たちは出発されてました。「さようなら、紫の旗の人たち。短い間だけどご一緒できてよかった」などと心の中でお別れをしてから次の目的地に向かいました。
到着したのは龍光院(毘沙門天)です。こちらでまつられている毘沙門天がとても素敵だったので、私のテンションは一気に上がりました。私は、厳しいお顔の仏像にすごく惹かれる傾向にあります。テンションが上がったままおみくじをひくと「大吉」でした。なんとなくですが、今年も厳しいお顔の仏像消しゴムはんこを彫る機会があるような気が致します。
次の目的地は円珠院(大黒天)です。大黒さまの笑顔が大変福々しく、穏やかな天気とあいまって和やかな気持ちになりました。さらに次に向かったのは心行寺(福禄寿)です。おまいりをした後、ふと横を見ると「ふれあい福禄寿」の像がありました。手にしている珠をさわると円満な人格を授けて下さるとのこと。たっぷりさわらせていただいたので、きっと今年の私は一味違う円満な人物となっているはずです。私に何か面倒なお願いごとをするとしたら、今年が狙い目です。
そして今回は、長い頭を無性に彫りたくなったので福禄寿の消しゴムはんこを彫りました。厳しいお顔の仏像が好きな私ですが、穏やかなお顔の仏像もやっぱり素敵ですね。
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心行寺を出たところで法乗寺というお寺の前を通りかかりました。こちらは七福神には入っておりませんが、えんま様がいらっしゃるとのこと。上記で書いた通り厳しいお顔の仏像好きの私は、同行のおふたりにお願いして立ち寄らせてもらいました。こちらに鎮座されているえんま様の前には19種類のお賽銭箱があり、お賽銭を入れると「ぴぃや~」という笛の音と共にえんま様がお説法をしてくださいます。私たち3人は揃って「祈願成就」のお賽銭箱を選び、お説法を聞きました。えんま様は、低くて渋いお声の持ち主でした。
次に向かったのは冬木弁天堂(弁財天)です。こちらではまきが燃やされていてすごく暖かく過ごせました。最後に向かったのは富岡八幡宮(恵比寿神)です。こちらで私たちは、懐かしいあの紫の旗の人たちと再会いたしました。たとえ違う道を選んでも、目的を見失わなずに歩き続ければ皆、望む場所にたどり着く。最後に教えられたような気がして握手を求めたくなりましたが、紫の旗の人たちは私のことをまったく認識していらっしゃらないようなので我慢致しました。
無事七福神巡りを終えた私たちは、近くのビストロでランチを食べました。今年始めて食べたパスタはおなかが空いていることもありものすごく美味しかったです。
ランチを済ませた私たちは富岡八幡宮に戻っておまいりをし、さらに近くの深川不動尊へ向かいました。ところがこちらは大変な人出で近寄ることも難しかったので、参道で手を合わせてからその場を離れました。この時点で14時過ぎとまだまだ時間があったので、私たちは少し歩いて深川江戸資料館へと向かいました。この連載にて2014年9月に訪れた場所です。こちらでは江戸のお正月飾りの展示などもあり、ふたつの時代のお正月を満喫することが出来ました。
今回の散歩は目的がはっきりしていたこともあり、大変散歩らしい散歩だった気が致します。時には「おまえは何をしに行った!!」という回もあるかと思いますが、今年も私のマイペース散歩を見守っていただけましたら幸いです。
ではまた!!
今回のお散歩:17,874歩
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