消しゴムはんこファンの皆様、ごきげんいかがでしょうか。
6月2日に開催された「東京アートクラフトフェスタvol.1」会場で同時開催された「第5回国際イレイサースタンプ品評会」において、最高金賞および金賞を受賞された作家の皆様に恒例のインタビューを行いましたので、皆様にご紹介したいと思います。
今回は第４回品評会に続き二回連続の金賞に輝いた「MIZUHOさん」のインタビューです。
第5回品評会 金賞受賞 MIZUHOさん
― この度は金賞受賞おめでとうございます。二回連続の受賞となりましたが、その点も含めまして受賞された際のお気持ちを教えていただけますか？
MIZUHOさん：
ありがとうございます。率直に本当に嬉しかったです。
会場で数多くの素敵な作品を拝見して、ハイレベルな作品に圧倒されてました。正直今回は入賞できるとは思っていませんでしたし、「もくさん」ではない作品が受け入れてもらえるかとても心配でした。なので、作品が受け入れてもらえたと実感できた時は、本当に嬉しかったです。投票してくださったみなさま、感謝感激です。ありがとうございました！
― 本当におめでとうございます。喜びもひとしお、といったところですね。ところで今お話されていましたが、今回はMIZUHOさんのオリジナルキャラクター「もくさん」を封印したデザインでエントリーされましたね。これは心境の変化と言いますか・・・何か封印するような理由や事情などがあったのでしょうか？
MIZUHOさん：
前回の雲のもくさんによるモクリンピックが、私にとってあまりにも好きな作品になっていて、もう少し余韻に浸りたかったんです(笑)。オリンピックもまだこれからですしね。
― 東京オリンピックは2020年の開催ですよね（笑）。
MIZUHOさん：
もちろん、もくさんの世界を描くことはできますが、まだモクリンピックを越えられないだろうな、と思いました。
― なるほど。
MIZUHOさん：
しかも・・・私自身、飽き性なんです。常に変化を楽しみたいんです。
― 変化を楽しむ・・・個人的にはとても良いことだと思います。
MIZUHOさん：
でも、締め切り１ヶ月を切っても図案が思い浮かばず、苦労しました。今思うと、これが連続入賞を狙うプレッシャーだったのだと思います。
― そうでしたか。もくさんを登場させないこととは別に、デザイン案の制作で苦労されていたんですね。これらのことをひっくるめてお訊ねしますが、今後のエントリー作品に再びもくさんが登場する可能性というのはありますか？
MIZUHOさん：
もくさん登場・・・どうでしょうか？気まぐれに出てくるかも？（笑）
― では再びもくさんが登場するのを楽しみに待ちたいと思います（笑）。とはいえ、エントリー作品を拝見した際に、もくさんがいなくてもMIZUHOさんらしい優しい雰囲気や繊細なのに柔らかなタッチがしっかり出ているなぁ・・・と感じたのも事実です。言い換えるなら、MIZUHOさんの「カラー」や「イメージ」、そして「スタイル」が確立されているがゆえにできることと思います。そこでお訊きしますが、画風が変化しても自分らしさを表現するためにご自身で何か意識していることはございますか？
MIZUHOさん：
ありがとうございます！！そう言って頂けて凄く嬉しいです。ですが、「私らしい」が私には全くわからず…今も迷走中です。
― えぇ？
MIZUHOさん：
実は皆さまのお声を聞いて、これが私らしいのか…と理解しているところです。
― それはちょっと意外でした。
MIZUHOさん：
毎回そうですが、一番重点を置いていることは、「何を感じて欲しいか」を考えて作品を描きます。伝えたいことや表現したいこと・・・それらが上手くできたのか、きちんと伝わったのかが私にとって重要です。感想を伺ってから判ることなので、毎回反応が気になりますね。
皆さま、様々な感想お待ちしています！
― なるほど！重点を置くポイントの違い、なんですね。それと第4回品評会で金賞を受賞された作品でも感じたのですが、それぞれのモチーフを持ち寄り組み合わせたデザインの全体的なバランスとレイアウトの素晴らしさが際立っていました。偏ることなく散漫にならず、それぞれのモチーフのサイズも含めて絶妙なバランスに仕上げられていますが、これはMIZUHOさんならではの秘策やノウハウをお持ちなのではないかと思っています。この点はいかがでしょうか？
MIZUHOさん：
たくさん褒めて頂けるインタビューですね。嬉しくてテンション上がります(笑)
― （笑）
MIZUHOさん：
今回は余白を仏の神秘的な空気感として大切にしたかったのでモチーフバランスには気をつけました。具体的には・・・
①全体像を想い描きます。
②バラバラにまずモチーフを描きます。
③程よいバランスに置きます。
④オーラや線をバランスを見て書き足します。
という具合に作業しました。
印影を見ると作品全体の絶妙なバランスの良さがはっきりとわかります。
― 詳しくご説明いただきありがとうございます。基本に忠実でシンプルな方法だと思いますが、それでいてこのバランス感覚と全体の安定感を表現できるのは素晴らしいことですよね。そしてもうひとつ、これは個人的に感じていることなんですが、文字・・・特に漢字をバランスよく彫るのはとても難しいと思っています。今回のMIZUHOさんの作品にもそれぞれのご神体の名前が漢字で入っていて、どれもディテールを崩さずに非常に丁寧に彫られていますが、漢字を上手に彫るポイントやコツ、またご自身で気をつけていることなどはございますか？
MIZUHOさん：
漢字、難しいですね。私は彫りに関しては未熟です。
― いやいやとんでもない。非常に丁寧な彫りを見てすごいと思いましたよ。
MIZUHOさん：
ありがとうございます。この作品の中での漢字の位置付けは緊張感や繊細さを表現するひとつのアイテムだったので、丁寧に繊細にと表現に注意して彫りましたが・・・漢字や平仮名はパソコンの文字のように線が均一なのが良いと思いますか？ 私は均一すぎるのは機械的すぎて、手彫りの奥深さ、良さが半減してしまわないかと感じています。「ゴム印でも良いのでは？」と・・・
― たしかに均一な美しさもありますが、手彫り独特の「味」は感じられませんよね。
MIZUHOさん：
デザインにもよりますが、消しゴムはんこは消しゴムはんこの良さを感じられるものが好きです。だからバランスが「？」とか、細くなった、太くなった、とか気にせずに自分なりの良さを感じられる文字ならいいと思います。
― なるほど。
MIZUHOさん：
綺麗を追求しすぎると、先ほど出てきた「味」のある作品ができなくなるのかな・・・とも感じています。文字を上手くできないと悩んでいる方は、自分の文字を見て、個性や良いところを見つけてみると自信がつくのではないでしょうか？ 創作に正解はないので。
― とても参考になる良いお話をしていただきありがとうございます。「創作に正解はない」まさにおっしゃるとおりです。では続きまして、今後の活動予定について教えていただけますでしょうか？
MIZUHOさん：
今後は、更に子育てが忙しくなるので、合間をみて活動していきます。そのため12月のアースタは出展出来ないので残念ですが、品評会にはまた参加したいと思います。そして当日はお客として行きたいと思いますのでよろしくお願いします！
― 今後も品評会にエントリーしていただけるんですね！そしてアースタにもおいでいただけるとのこと、本当にありがとうございます。イベントを満喫していただけたら嬉しいです。
MIZUHOさん
また、シャインカービングのアンバサダーとしても少しずつ活動していきます。そちらもよろしくお願いいたします！
― そうでしたか。最近これまでになかった新しいカービング系ホビーとして急速なファン層の広がりを見せている話題のシャインカービングですが、MIZUHOさんはアンバサダー資格を取得されたんですね！こちらでのご活躍もとても楽しみです。
MIZUHOさん：
ありがとうございます。そして今後の活動についてはインスタで告知させていただきます。「消しゴムはんこ教えて欲しい」とかオーダー制作などは、気軽にお声をかけていただけると嬉しいです。今後も引き続き、消しゴムはんこの楽しさを広める活動をしていきたいと思います。
― ありがとうございます。では最後の質問になりますが、MIZUHOさんにとっての「消しゴムはんこ」とは、どのようなものですか？ MIZUHOさん自身が「消しゴムはんこ」について思っていることや考えていることなど、どのようなことでもかまいませんのでお話しいただけないでしょうか？
MIZUHOさん：
私を表現できるもののひとつ。特技。手に職・・・(笑)
彫っている時は、無心になれるんです。皆さんもそうだと思いますが、夢中になる時、静かに心が落ち着いていくのを感じていきませんか？消しゴムはんこは、まさに私の心の平安ですね。
― 心の平安・・・今回金賞を受賞した作品のデザインに通ずるものを感じます。本日はありがとうございました。そして二回連続の金賞受賞、本当におめでとうございました。
MIZUHOさん：
ありがとうございました。
～作品データ～
消しゴム：ほるナビ ふつう
使用ツール：OLFA デザインカッター
印面着色インク：ツキネコ バーサクラフト
～MIZUHOさんのSNSアカウントはこちら～
◆Instagram：https://www.instagram.com/handmademizuho/
次回「第6回国際イレイサースタンプ品評会」は2019年12月8日「東京アートクラフトフェスタvol.2」内で開催！
いま消しゴムはんこ界で最も熱い注目を集めるコンテストにあなたも作品を出品してみませんか？
出品方法は東京アートクラフトフェスタ公式サイトをご覧ください。
https://www.artcraftfesta.com/contest
（国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 ／ 2019年10月1日配信）