消しゴムはんこ作家・あとむさんの連載「あとむの消しはん -イロトリドリ-」をお届けします。
みなさまこんにちは。神奈川県平塚市で消しゴムはんこ作家として活動中のあとむです。
いつも連載「あとむの消しはん-イロトリドリ-」をご覧いただきありがとうございます。
この連載はあとむの代表作「花鶏-アトリ-」シリーズの作品づくりをご紹介しております。第5回目となる今回は前回彫り終えたはんこを捺して仕上げたいと思います。
花鶏の連載としては最終回となります。
まず捺す前にどんな色合いの作品に仕上げるか大まかなイメージを作ります。
今回はふわっとした軽めの色合いに仕上げようと思うので、パステル調のインクをチョイスしました。
ベースとなる色をインクセットから5色選びます。今回はツキネコさんのVersaMagicで仕上げていきます。
次にベースカラーの5色の色に近い濃いめのインクを取り出します。捕食としてベースカラーを1色足しました。
総ベタで捺しても綺麗な作品に仕上がるのですが、もしたくさんインクをお持ちの方はシャドウやハイライトを付ける押し方にチャレンジしてみて欲しいです。
では早速捺していきましょう!
捺す紙はFABRIANOというイタリア製のスケッチブックの紙に捺していきます。
このスケッチブックは一枚一枚にミシン加工が施してあるので切り離すのにとても便利ですし、今回使うVersaMagicとの相性がとても良いです。
まずは上の方にいる鳥の頭のパーツを捺していきます。
1羽目の鳥のベースカラーはGD-38のAquatics Splashを。
シャドウ付けにはGD-37のSea BreezeとGD-15のTurquoise Gemを。
そしてハイライトとしてGD-31のThatched Strawを使ってます。
クチバシにはベースとしてGD-31、シャドウ付けにGD-33のPersimmonを。
次に羽根のパーツを捺していきます。
カラーリングはベースカラー、シャドウともに先ほどのクチバシに使用したインクと同じです。
羽根の中はベースカラーをGD-38のAquatics Splash。
シャドウにGD-15のTurquoise Gemを。
次に尾っぽを捺します。
カラーリングは頭部分と同様です。
続いてもう一羽の鳥を捺していきます。
まずは尾っぽから。
ベースカラーはGD-37のSea Breeze、シャドウとしてGD-15のTurquoise Gemを。ハイライトとしてGD-31のThatched Strawを使ってます。
次に隣接する羽根です。
※羽根パーツはもう一羽の鳥の羽根を流用する予定でしたが、設計ミスで流用は不可能でしたので、新規に彫りました。
羽根の外部のカラーリングは最初の鳥と同様で、中のパーツのみ変更してあります。ベースをGD-37のSea Breeze、シャドウとしてGD-15のTurquoise Gemを。ハイライトとしてGD-39のKey Limeを使用しています。
更に鳥の頭部を捺します。カラーリングについては尾っぽと同様です。
少しズレちゃいましたね(汗)
画像にはありませんが、1羽目の鳥のもう1つの羽根(小さいパーツ)を加えたら2羽の鳥はこれで完成です。
大きなダリアと小さなダリアを捺します。
大きなダリアのカラーリングは、ベースにGD-34のPixie Dust、シャドウにGD-74のPink Grapefruit、ハイライトに少しだけGD-31のThatched Strawを使いました。
そして小さなダリアのカラーリングはベースカラーにGD-35のSpring Pansy、シャドウにGD-55のPurple Hydrangea、ハイライトとしてGD-37のSea Breezeを。
最後に葉っぱやリングのパーツを適当にあしらって完成です。
葉っぱにはベースとしてGD-39のKey Lime、シャドウにGD-79のOasis Greenを使用し、リングについてはお好みでインク2色くらいを使ったグラデーションにすると全体的に綺麗に仕上がります。
全4回の連載に渡ってお送りしてきましたが、花鶏作品ができるまでの行程はなんとなく伝わったでしょうか?
多色捺しは、図案作りの段階である程度のパズルを頭の中で組み立てながら作っていかなくてはならないので、慣れないうちは少し大変かと思いますが、仕上がった時は苦悩した分の何倍もの感動があります。ぜひ皆さんにもチャレンジしていただきたいので、この連載記事が少しでも参考になればと思っております。
9月に入りましたがまだまだ暑い日が続くと思いますので、皆様どうぞご自愛くださいませ。
そして最後までご覧頂きましてありがとうございました。
また違う企画で連載を考えてますのでその時までどうか笑顔で!
あとむでした。
(消しゴムはんこライブラリー編集部・2019年9月1日配信)