第4回品評会 最高金賞受賞 hottaraciiさんインタビュー(中編)

 消しゴムはんこファンの皆様、ごきげんいかがでしょうか。

 「消しゴムはんこの彫りの美しさとデザインを競うコンテスト」として開催される「国際イレイサースタンプ品評会」。6月2日に開催された第5回品評会において、chimney hankoさんが最高金賞に輝いたのは記憶に新しいところですね。

 今回は、前回に続き昨年12月2日に開催された第4回国際イレイサースタンプ品評会において最高金賞を受賞されましたhottaraciiさん(現:hottaracii twoさん)の受賞者インタビュー中編をお届けします。


第4回国際イレイサースタンプ品評会 最高金賞受賞

hottaraciiさん


(前編からのつづき)

― 続いてデザインについてお伺いします。第3回品評会の作品と同様に、今回の作品にも宇宙のモチーフを採用されていらっしゃいますね。そのデザインの中で個人的に気になったのが、南天に輝くオリオン座と北の空に輝くカシオペヤ座を一緒にレイアウトしている点です。本来であれば同じ視界の中に見ることができない星座をレイアウトしたのは宇宙の広さを表現するためでは?と私は解釈したのですが、その点はいかがでしょうか?

hottaraciiさん:
 宇宙の広さを表現するため…。とカッコいい事を言いたいところですが、この二つの星座を入れた理由はパッと見て誰もが分かる星座を選んだからです。

― なるほど。

hottaraciiさん:
 子供でも分かる星座の代表格がこの二つの星座だと個人的に思っているので採用したのですが、後になって相反する星座だと気が付きました。まさか、ここを突かれるとは思わずでした(笑)。目の付け所がさすがです。

― いえいえ、とんでもございません(笑)。話は変わりますが、hottaraciiさんのインスタグラムで拝見したのですが、今回のエントリー作品ではない別の作品でエントリーを予定していたことを知りました。その作品の画像も拝見いたしましたが、今回最高金賞を受賞された作品に匹敵する素晴らしい作品と思いました。そこでお訊きしますが、なぜエントリー作品を差し替えたのでしょうか?

hottaraciiさん:
 最初のデザインはかなりクセが強くて、描いている途中から辞める方向で考えていました。ただ、その時はまだ差し替え用のデザインが思い浮かんでいなかったのもあり、8割ほど完成させていたのですが、ある日突然行方不明になってしまいまして…。元々差し替え予定だったし、行方不明になってしまったなら仕方ないと思い今回の作品の図案を書き直したという経緯です。

― なんと…行方不明になっていたとは知りませんでした。

hottaraciiさん:
 鉛筆画を描いている頃からクセが強目の作風だったのもあり個人的にはああいった一癖ある作品が好きなのですが、世間一般的には受け入れられずらいデザインなので結果封印しておいて良かったみたいです(笑)。

― 結果としては頂点を極めることになりましたし、hottaraciiさんの選択は正しかったということになりますね(笑)。ところで、作品制作全般において苦労された点は何かございますか?

hottaraciiさん:
 下書き、それから転写にとても苦労しました。下書きは額縁の装飾部分の書き込みがとにかく大変で、しかも変形した額だったため時間がとてもかかりました。

― あれほど細かく描き込んでありますので、その苦労は想像に難くないですね。

hottaraciiさん:
 それから今回は仕上げた図案をコピーして除光液にて転写したのですが、ハガキサイズの除光液転写が思った以上に難しくて何回かミスをしました。急がないと乾いてしまうし、焦って多めの除光液を染み込ませると滲んでしまうしで一番苦戦した作業かもしれないです。

― 細かい表現が多いので一般的なトレースかと思いましたが、除光液を使用されたんですね。転写した図案に滲みが出るとその後の制作にも悪影響が出ますし…苦心された様子がとてもよくわかります。


― 続きまして制作のプロセスについてお伺いします。今回の作品も制作に長い時間がかかったことは想像に難くありませんが、長時間作業を行うにあたりご自身が気をつけていることはありますか?

hottaraciiさん:
 今回のように細かい部分が多い作品は長時間は作業しないようにしています。というのも、すぐに集中力が切れてしまう体質で集中力が消えると必ずといっていいほどミスをするので、1時間〜2時間程で作業はやめるようにしています。

― ありがとうございます。では、制作途中に休憩することがあるかと思いますが、その際に気分転換のために行っていることはございますか?

hottaraciiさん:
 気分転換にする事はこれといってないのですが、強いて言うならコーヒーをゆっくり飲むことです。

― なるほど。では、今回のエントリー作品について、デザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?

hottaraciiさん:
 アイデアとしてのラフ画は2時間程で仕上げ、そのラフ画を元に転写用の図案まで仕上げるのに6時間ほどかかりました。

― ということは、図案だけで8時間ですか。かなり時間をかけていますね。

hottaraciiさん:
 そうですね。そして図案が仕上がり彫り作業に入ってからは毎日1時間から2時間を費やし、一週間ほどで終わらせましたので彫り作業で10時間くらいかと思います。

― あれだけの作品を正味10時間で仕上げたとは…さすがとしか言いようがないです。感服しました。


 次回、後編に続きます。どうぞお楽しみに。


次回「第6回国際イレイサースタンプ品評会」は2019年12月8日「東京アートクラフトフェスタvol.2」内で開催!
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出品方法は東京アートクラフトフェスタ公式サイトをご覧ください。

https://www.artcraftfesta.com/contest


(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2019年8月20日配信)

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