「あとむの消しはん-イロトリドリ-」第4回
消しゴムはんこ作家・あとむさんの連載「あとむの消しはん -イロトリドリ-」をお届けします。
みなさまこんにちは。神奈川県平塚市で消しゴムはんこ作家として活動中のあとむです。
いつも連載「あとむの消しはん-イロトリドリ-」をご覧いただきありがとうございます。
この連載はあとむの代表作「花鶏-アトリ-」シリーズの作品づくりをご紹介しております。第4回目となる今回は前回「Vectornator」というアプリを使ってクリーンアップした図案からトレース、転写、彫りまでの工程をお伝えしたいと思います。
まずはVectornatorのデータからプリントアウトします。この時モノクロ印刷ではなくカラー印刷でプリントアウトします。
これまでは各パーツごとで分解してバラバラにした状態でプリントアウトしていたのですが、分解する手間を省くと同時に思わぬ分解ミスを防ぐために今はこのように分解せずにそのままの状態でカラー出力してトレースしています。
トレースが完了しました。
流用できるパーツが何種類かありますのでその場合は1つしかトレースしていません。
続いて転写です。
転写も完了しました。
今回の図案はハガキサイズ程度のものを作るつもりでプリントアウトしたのではんこ用の消しゴムはハガキサイズ1枚分でなんとか足りました。
【Point!】
手描き図案と違いデジタルで描いた図案、特に今回のようにベクター系ソフトやアプリのデータは、拡大や縮小といったリサイズが簡単にでき、しかも画像のような拡大時の劣化もなくそのままのクオリティで出力されるのでとても便利です!※お使いのプリンターによっては多少の劣化は生じる場合があります。
次に転写したパーツを一つ一つ切り離します。
今回は13パーツになりました。
本当でしたら今回お届けする内容は転写まででしたが、一気に彫り上げてしまいました!
本来こういった沢山のパーツを転写する際は除光液転写が早くて楽なのですが、多色捺しパーツとなるとズレが生じてくるので少し面倒でもトレーシングペーパーを使ってトレースして転写した方が良いかもしれません。
これはあくまでも持論なのですが、ズレる原因としては恐らく水分(除光液)を染み込ませた紙が伸びて乾かないうちに消しゴムに転写した際少し大きくなって転写されるためサイズが変わってしまいインクで捺した時にズレが生じるんじゃないかと考えています。
花鶏作品を作り始めた当時は除光液転写をしていたので、どの作品も少しずつズレているんです。
除光液転写は早くて楽で綺麗に転写できると定評ですが、こういったデメリットもあるので、作品によって転写も使い分けていきたいですね!
さて次回はいよいよ着色〜完成です!
お楽しみに!
(消しゴムはんこライブラリー編集部・2019年8月1日配信)