消しゴムはんこファンの皆様、ごきげんいかがですか?
この度、昨年12月9日に開催された「第4回国際イレイサースタンプ品評会」において最高金賞および金賞を受賞された作家の皆様にインタビューを敢行いたしました。作品の制作秘話や独自のテクニック、そして普段の作家活動等について等、普段はお聞きすることができないような内容の濃いお話をたくさんお伺いすることができましたので、詳細を余すことなく皆様にお伝えしたいと思います。
今回は3月31日に公開しました前編に続き「櫻庭恵美さん」のインタビュー後編をお届けします。
前編はこちら
(前編からの続き)
- 続きまして、今回のエントリー作品についてお伺いします。今回のエントリー作品ですが、デザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらいかかりましたか?
櫻庭恵美さん:
アイデアから完成までの日数ですが、2ヶ月以上要しました。
- かなりの時間を要していますね。
櫻庭恵美さん:
そうですね。今回は販売とオーダーはんこの制作と平行し、本職美容師と家事と親の介護との合間を縫いながらの作品制作でした。このように集中型で作業したわけではなく、毎日少しずつ進めたのでわりと長くかかりました。
- そうでしたか。本業と家事、さらには介護をされながらはんこのオーダーメイドもこなす・・・このようなハードワークをされながらの作品制作、ということを考慮すると納得の制作期間ですね。ちなみにデザイン画の消しゴムへの転写はどのような方法で行いましたか?
櫻庭恵美さん:
転写の仕方は、一般的なトレーシングペーパーにシャープペンシルで描き写し消しゴムに転写です。
- オーソドックスな方法ですね。では続きまして、今回制作に使用した道具を教えてください。また、拡大鏡や手元を明るく照らすライト等の彫る道具以外の道具類で、今回使用したものや制作に欠かせないものがありましたら併せて教えていただけますか?
櫻庭恵美さん:
作品用の消しゴムは「ほるナビ」、制作には「アートナイフプロ157B」、「カマクラ曲刀2mm」、「印刀曲」、図案はシャープペンシル0.5mmと0.3mm、彫る道具以外で使用したのはスタンドルーペ、そして「これ必須!」の老眼鏡です😅
- 自分も老眼鏡は必須です(笑)。ところで今のお話で出てきましたが、今回作品制作に使用した消しゴムは「ほるナビ」なんですね。では、普段作品を制作する際に使用する消しゴムも「ほるナビ」でしょうか?
櫻庭恵美さん:
オーダーメイドで制作するはんこや販売用として制作するはんこは全て「ほるナビ」を使用していますが、自分で使うために制作するはんこは100円均一の消しゴムを使っています。セ○○の厚みのあるほうのゴムです。
- 目的に合わせてしっかり使い分けをされていらっしゃるんですね。ちなみに櫻庭さんが基本としている消しゴムはんこの彫り方というのはどんなスタイルですか?
櫻庭恵美さん:
彫り方は基本「置き彫り・引き彫り」ですが、部分的に押し彫りの場所もあります。
- 他の彫り方を行うケースというのはございますか?
櫻庭恵美さん:
外回りの余白処理は手に持って行います。サイドから横向きにカッターを入れ、一周して「ペロリン」と外します。
- それ、よくわかります。外周の余白を処理する際、一気に刃を入れて「ペロッ」と余白を外すのは気持ちいいですよね(笑)。今回の作品の印面着色と印影に使用したインクをそれぞれ教えていただけますか?
櫻庭恵美さん:
消しゴム印面の着色はフォアコートの黒です。印影はアートニックの濃紺です。
- ありがとうございます。続きまして、櫻庭さんの消しゴムはんこ作家ならびにハンドメイド作家としての現在の活動状況について教えていただきたいのですがよろしいでしょうか?また、主に情報を発信しているSNSアカウントをお持ちでしたら併せて教えていただければと思います。
櫻庭恵美さん:
SNSはブログとインスタグラムをしています。URLはこちらです。
◆ブログ:https://ameblo.jp/lesamis-hanko/
◆インスタグラム:https://www.instagram.com/lesamishanko/
facebookもやってますが、アナログ人間なのでハンコページがうまく使いこなせなくて個人ページ中心です。なので、ハンコ友達繋がりで検索するとヒットするかもです(^^)
- ありがとうございます。
櫻庭恵美さん:
それと現在の作家活動ですが、介護などの家庭状況や自分の健康面もあるので無理の無いよう自分に合ったペースで動いているような感じです。
- なるほど。ご自身の状況を考慮して、ということですね。
櫻庭恵美さん:
はい。具体的には、地元県内での出店イベントや朝市、ネット販売、オーダーメイドが中心となっています。それらと並行して、ATCやはんこの交換など全国の作家さんと交流を楽しんで行きたいと思います。
- こうしてお話をお伺いしていると、マイペースで楽しみを感じながら活動されている雰囲気がよく伝わってきますね。ちなみにレッスン等の開催はいかがでしょう?
櫻庭恵美さん:
教室は不定期で少人数の開催・・・マンツーマンが多いかな・・・という感じです。それと、ひとつやってみたいなぁ・・・と思っていることなんですが、ひっそり個展を開催してみたいという思いはあります。
- ひっそり個展!いいじゃないですか!!ぜひ実現していただきたいです。開催される際はこっそりではなくぜひお知らせください(笑)。では最後に、目標とされている作家の方がいらっしゃいましたら教えていただけますか?
櫻庭恵美さん:
目標とする作家さんは数人います。それぞれに見習うところがあって「師匠!」と呼びたい(笑)。余白がキレイとか、線が細く繊細とか、デザイン力が憧れとか、海外活動してるとか・・・皆さん同じ位置付けの目標です。見習いところの目標はみんな一等賞なんです。
- 素晴らしいですね。櫻庭さんが思っている多くの作家さんの見習うべき点を取り込もうとする向上心は、多くの作家の方にとっても見習うべき目標となるのではないかと思います。今後のさらなるご活躍、そして個展の開催を心から期待しております。本日はありがとうございました。そして二度目の金賞受賞、本当におめでとうございます。
櫻庭恵美さん:
ありがとうございました。
櫻庭恵美さんの詳細な情報はこちら
Blog:https://ameblo.jp/lesamis-hanko/
Instagram:https://www.instagram.com/lesamishanko/
消しゴムはんこの彫りの美しさとデザインを競うコンテスト「国際イレイサースタンプ品評会」
6月2日開催の第5回品評会で最高金賞に輝くのは果たして誰なのか?
どうぞご期待ください!
https://www.artcraftfesta.com/contest
(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2019年4月2日配信)