「hottaraciiさん」金賞受賞者インタビュー 後編
消しゴムはんこファンの皆さん、ごきげんいかがでしょうか?国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。
シリーズでお送りしています「第3回品評会受賞者インタビュー」。8月17日にご紹介しました「hottaraciiさん」のインタビュー前編に続き、今回は後編をご紹介します。
※前編はこちらからご覧いただけます↓
hottaraciiさん
多忙な日常の合間を縫うように制作
― ちなみに今回のエントリー作品についてですが、デザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?
hottaraciiさん:
エントリーが締め切りギリギリだったため、図案から完成まで2ヶ月しか期間がありませんでした。1週間ほどで図案を仕上げ、受注品やオーダー品をこなしつつ、上の子の入園があり、入園準備や入学式を進めながら合間をみて製作に励みました。
― 多忙を極める中での制作だったんですね。余白部分が広い作品ですし、彫り始めてからもかなりの時間を要したのではないでしょうか?
hottaraciiさん:
彫り始めてから完成までは1ヶ月かかりましたが、1日に少しずつ空いた時間で取り掛かったので、実質10時間くらいかと思います。でも、実は一度ミスをして彫り直しているので、それを足したらもう少しかかってます。
― なんと!そうだったんですね。ところで、今回制作した作品の図案についてですが、一般的な消しゴムはんこの制作と同様にトレーシングペーパーに図案を写し取り、それを消しゴムに転写するというスタイルで行ったのでしょうか? それとも、他の方法で行いましたか?
hottaraciiさん:
転写は基本的にトレーシングペーパーを使っています。除光液転写をする事もありますが、根っからのアナログ人間なため、シャーペンと消しゴムとトレーシングペーパーが私の三種の神器です。
― なるほど。では、トレースの際に注意していることや工夫していることなどはございますか?
hottaraciiさん:
気をつけている事は、トレーシングペーパー転写では図案の綺麗さが重要ですので、とにかくトレーシングペーパーに綺麗に描く事を心がけています。工夫している事は特にないのですが、手汗が凄いので紙がヨレない事を最重視しています。笑
― それはとても重要な対策ですね(笑)。では続いて、制作に使用している道具についてお伺いしたいと思います。今回のエントリー作品の制作にはどのような道具を使用されましたか?
hottaraciiさん:
普段はデザインナイフのみで彫るバンカー彫りのスタイルなのですが、今回は彫りの美しさが重要との事で、余白処理のためにいくつかツールを取り入れました。
・デザインナイフはオルファの23度、30度、32.8度の三種類。
・それから今回取り入れた彫刻刀が二種類。
・彫刻刀は道刃物工業さんの浅丸スクイと余白サラエ。
そして、こちらも今回取り入れたのですが、平らに彫った余白をさらに綺麗にするために電動消しゴムを使いました。
― なるほど、エントリー作品の制作のために新たに用意した道具を使用されたんですね。では、図案のトレースの際はどのような道具をお使いですか?
hottaraciiさん:
シャーペンは製図用のロットリング の0.3mmと0.5mmを使い分けています。
― ありがとうございます。こうしてお話をお伺いしていると、使用する道具に対する鋭い選定眼と非常に強いこだわりをお持ちであると感じました。
hottaraciiさん:
はい。気に入ったものをずっと長く使い続けたい性格なので、使う道具は吟味して高くても良いものを買うようにしています。
― とてもよくわかります。
hottaraciiさん:
なので、今回初めての品評会と言うこともあり様々なツールを調べて導入しましたが、それが仇となり先にも述べましたが一度失敗しています。
― 先ほどのお話に出てきたミスの理由はこれだったんですね。話は変わりますが、hottaraciiさんの消しゴムはんこの彫り方のタイプを教えていただけますか?
hottaraciiさん:
消しゴムはんこを始めた時からずっと持ち彫りです。
― ということは、今回の作品も持ち彫りですか?
hottaraciiさん:
はい。今回初めてのハガキサイズという事もあり、彫り始めは持って彫るのが難しく、何度か置いて彫ってみましたがやはりダメでした。なので、ハガキサイズは大きくて持つにはバランスが悪くとても苦戦しました。
現在の活動と今後について
― 続いて現在の作家活動についてお伺いします。hottaraciiさんは現在、消しゴムはんこ作家としてどのような活動をされているか教えていただけますか?
hottaraciiさん:
現在はフルオーダー、受注を中心にInstagram、minne、creemaにて活動をしています。フリマアプリも活用し、なるべくたくさんの人にhottaraciiを知っていただけるように取り組んでいるところです。URLはこちらです。
◆Instagram:http://instagram.com/hottaracii
◆minne:https://minne.com/@t00y-am-a
◆creema:https://www.creema.jp/creator/523737
― ありがとうございます。では最後になりましたが、今後の活動予定や消しゴムはんこ作家としての目標などがあればぜひ教えてください。
hottaraciiさん:
12月のけしごむはんこヴィレッジvol.4に仲良くしていただいている作家さんと共同出展することが決まりました。その作家さん共々イベントは初めてなので今からとても緊張していますが、楽しい一日になるように準備を進めているところです。また、SNSを通して仲良くしていただいている作家さんや、応援して下さっている方々にお会いできる事がとても楽しみです。
消しゴムはんこ作家としての目標は、次の品評会で今回より上位に入賞すること。それから、まだ子供が小さくてコンスタントにイベント参加は難しいのですが、イベント参加の機会を増やし沢山の方にhottaraciiを知っていただく事です。
― 12月のはんこ村vol.4への出展、とても楽しみですね。そして、今後のさらなるご活躍に期待しております。本日はありがとうございました。
hottaraciiさん:
ありがとうございました。
今回のインタビューで、hottaraciiさんが12月9日開催の「浅草橋けしごむはんこヴィレッジ vol.4」出展についてお話をされていましたが、この中に出てきた「仲良くしていただいている作家さん」というのは、実は金賞受賞作家の「chimney hanko さとうゆうこさん」なんです。おふたりの金賞受賞作家の強力なタッグによるブース出展は、多くの消しゴムはんこファンの熱い視線を集めることになるでしょう。とても楽しみですね!
お忙しいところご回答いただきましたhottaraciiさん、本当にありがとうございました。そして、初エントリーでの金賞受賞、本当におめでとうございました!
「hottaraciiさん」のより詳しい情報はこちらです。
Instagram:http://instagram.com/hottaracii
minne:https://minne.com/@t00y-am-a
creema:https://www.creema.jp/creator/523737
(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2018年8月19日配信)