消しゴムはんこに適した接着剤は?
ホビーの世界にとどまることなく、日常生活に欠かすことのできない「接着剤」
前回は消しゴムはんこに使える・使えそうな接着剤のメーカーと品名だけをご紹介して終わり、続きに含みを持たせたまま3か月以上も更新しませんでしたが、実はこの期間も経時変化の様子などの調査を継続していました。
そこで今回は、実際に接着したものを使用して接着強度の検証等を行ってみたいと思います。
1:接着強度
では早速検証を始めましょう。
今回は「消しゴムはんこに持ち手を接着する」ことを想定し、消しゴムスタンプ用消しゴム『はんけしくん』を木材に接着して、接着面の仕上がりや接着強度を検証します。
結果をできるだけ正しく検証すべく、『はんけしくん』は接着面の面積が同一となるよう切り出しました。
前回の復習も兼ねて、今回使用した接着剤をご紹介します。
1:ロックタイト パワーリキッド 協力瞬間接着剤
2:ダイソー ブラシタイプ 瞬間接着剤
3:タイトボンド オリジナル
4:セメダイン スーパーXゴールド
5:スコッチ スーパー多用途 超強力接着剤
そして接着したのがこちらです。
では、まずはこの状態からさかさまにしてみます。
こうして見ると、しっかり接着されていますね。
では、接着された消しゴムをひねってみます。
1:ロックタイト
2:ダイソー瞬間接着剤
3:タイトボンド
4:スーパーXゴールド
5:スコッチスーパー多用途
検証の結果、3:タイトボンドのみ剥がれてしまいましたが、他の接着剤は剥がれることはありませんでした。
~破壊強度~
さらに強い力をかけて消しゴムを剥がした結果がこちらです。
ロックタイトとダイソーの瞬間接着剤は接着した部分を残して剥がれました。そしてスーパーXゴールドは消しゴムが破壊されてしまうくらい強力な接着力でした。注目していただきたいのがスコッチスーパー多用途で、強い力をかけると「ヌルッ」という感触とともに接着面がきれいに剥がれたことと、接着から3か月ほど経過しているにもかかわらず消しゴム側の接着剤に粘り気があったことに驚かされました。
~まとめ~
今回は5種類の接着剤を試してみましたが、タイトボンドは木工用を謳っているとおり木材に特化した性能を有していて、木材+異素材の接着には不向きということがわかりました。また、他の4種類の接着剤についてはいずれもかなり強力な接着力があり、消しゴムはんこと持ち手の接着に十分使用できることもわかりました。
また、接着した消しゴムを破壊してしまうほど強力な接着力の「セメダイン スーパーX」が、ジャンルを問わず多くの作家やクラフターの方に愛用されている理由を垣間見ることができた実験だったと思います。
接着剤を選ぶ際には「多用途型」であることを念頭に、それぞれの作業スタイルに合わせて接着剤の硬化時間を考慮に入れると間違いないでしょう。
(ライター:今福大文 / 2018年1月22日配信)