第4回品評会金賞受賞「智野結月さん」インタビュー 後編
消しゴムはんこファンの皆様、ごきげんいかがですか?
この度、昨年12月9日に開催された「第4回国際イレイサースタンプ品評会」において最高金賞および金賞を受賞された作家の皆様にインタビューを敢行いたしました。作品の制作秘話や独自のテクニック、そして普段の作家活動等について等、普段はお聞きすることができないような内容の濃いお話をたくさんお伺いすることができましたので、詳細を余すことなく皆様にお伝えしたいと思います。
今回は3月27日に公開しました前編に続き「智野結月さん」のインタビュー後編をお届けします。
前編はこちら
(前編からの続き)
- 続きまして、今回のエントリー作品についてお伺いします。デザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらいの日数を要しましたか?
智野結月さん:
およそ10日ぐらいだと思います。
- 早いですね。ちなみにデザイン画の消しゴムへの転写はどのような方法で行いましたか?
智野結月さん:
トレーシングペーパーに0.2mmのシャープペンシルでトレースしたものを消しゴムに転写しました。
- オーソドックスな方法で行われたんですね。では次に、今回制作に使用した道具を教えていただけますか?
智野結月さん:
0.2mmのシャープペンシル、オルファ アートナイフプロ、匠の浅丸スクイ、彫刻刀の丸刀、電動砂消しです。
- ありがとうございます。それと、彫る道具以外で制作に欠かせないものがあれば教えていただきたいのですが。
智野結月さん:
制作に欠かせない道具は、100円均一で購入した手元を明るく照らすライトです。手元がどうしても暗くなり線が見えづらいのでこれがないと彫れません(笑)。
- 作業効率と確実性を重視すると手元が明るい方が絶対に良いですよね。ところで、今回作品に使用した消しゴムの銘柄は何でしょうか?
智野結月さん:
はんけしくんのハードタイプです。
- 普段の作品制作にも同じ消しゴムを使われているんですか?
智野結月さん:
普段はほるなびの百世先生がコラボレーションされた商品を使用しています。
- なるほど。よろしければ、その理由をお聞かせいただけますか?
智野結月さん:
実は今売られている消しゴムをすべて購入し彫り比べてみたんです。その結果、自分に合った固さと彫りやすさを兼ね備えた商品がこれだったので、それからはずっと同じものを使用しています。
- それはすごいですね!智野さんが持つあくなき探求心と情熱は、多くの消しゴムはんこ作家の方にとってひとつのランドマークになり得ると思います。
- 続いて智野さんの制作の基本スタイルとして、良く行っている消しゴムはんこの彫り方について教えていただけますか?
智野結月さん:
置き彫り・押し彫りです。引き彫りは力が入りにくく、バランスを保つことが私には難しかったのと、刃で影ができてしまいトレースの線が見えにくくなってしまったので押し彫りにしています。
- なるほど、そうなんですね。ところで、今回の作品の印影に使用したインクと、印面の着色に使用したインクをそれぞれ教えていただけますか?
智野結月さん:
印影・印面の着色ともに、ツキネコのアートニックSの黒です。
- ありがとうございます。次に、智野さんの消しゴムはんこ作家・ハンドメイド作家としての現在の活動状況についてお話しいただけますか?
智野結月さん:
現在、作家としての活動は休止しております。復帰時期は未定ですが、いつかまた楽しく彫れるようになることを目標に、デザインや彫りについて勉強中です。
- なんと・・・そうでしたか。ですが、現在もデザインや彫りについての勉強中とのことでホッとしました。では、活動休止中ではありますが復帰を念頭に、作家として目標としていることを教えていただきたいのですがよろしいですか?
智野結月さん:
はい(笑)。いつかワークショップなどを開いて、たくさんの消しゴム愛好家の方々と交流を持ちたいというのが私の目標です。わいわい楽しく、消しゴムはんこの楽しさを共有できればいいなと思っています。
- ありがとうございます。では最後に、目標とされている作家の方はいらっしゃいますか?
智野結月さん:
目標としている特定の作家さんはたくさんいすぎて絞ることはできません。私がいつも拝見している作家の方々は個性的で彫りもきれいで素晴らしい作品を作られている方ばかりなので、皆さんのように私も興味を持ってもらえるような作品を作れるように努力していきたいと思っています。
- さらにパワーアップして復帰されることを心から期待しております。本日はありがとうございました。そして、金賞受賞本当におめでとうございました。
智野結月さん:
ありがとうございました。
消しゴムはんこの彫りの美しさとデザインを競うコンテスト「国際イレイサースタンプ品評会」
6月2日開催の第5回品評会で最高金賞に輝くのは果たして誰なのか?
どうぞご期待ください!
https://www.artcraftfesta.com/contest
(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2019年3月29日配信)