作品が世界で称賛!川治伴江さんインタビュー前編

 いまイレイサースタンプ界で最も活躍している女性クリエイターにクローズアップするシリーズ「トップクリエイターズ・インタビュー2016」。2015年・2016年と最前線で活躍する3人の女性作家の素顔に迫ります。第1回目は世界的な評価を得て2016年にさらなる飛躍が期待されるイレイサースタンプ作家の川治伴江さん(Le Ciel)のインタビュー<前編>をお届けします。


世界的な評価を得た女性作家

★川治伴江(かわじともえ)さんは2015年はイレイサースタンプ界で最も忙しかった作家さんのおひとりだと思いますが、昨年を振りかえって、活動の中で印象にのこっている出来事は何ですか?

川治伴江さん: さまざまな活動をしているなかで印象に残っているのは美術展などで受賞出来たことです。消しゴムはんこのこれまでのイメージを一新させることが出来それ以上の可能性を秘めていることを実感できるものでした。


★福井県・石川県と北陸を中心に活動をされている川治さんですが、作品の素晴らしさが評判となって、日本だけではなく海外でも作品が評価されています。モナコでの芸術祭で賞を受賞されたことも、大きく注目をされました。世界的な評価を得られた実感などはありますか?

川治伴江さん: まだ実感はありません。今年から来年度にかけ東京銀座での作品展示販売や美術専門書籍への作品掲載、モニュメントへの記名などを目にしたときに改めて世界的に評価していただけたと実感できるような気がします。


イレイサーミクストメディアの第一人者に

★いまや「イレイサーミクストメディア」というジャンルを確立して、第一人者となりましたが、川治さんが定義する「イレイサーミクストメディア」とはどのようなものなのですか?

川治伴江さん: ミクストメディアとは、複数の技法を施した混合技法からなる作品の事を示します。イレイサーミクストメディアとは、全体の大きさをA3サイズ以上のアート作品とし、消しゴム板を捺した紙等でなく消しゴムを彫った板作品そのものを土台として使用したものとします。消しゴム板の彫り方としてラインを表現する場合、レリーフのような形に仕上がるようにするため刃を何度も入れることなく最小限とし、一つのラインのカット面に継ぎ目がなく滑らかなものとします。また、バックグラウンドは彫り面とは異なる技法にて表現しそれらを混合させます。混合させた消しゴム板そのものに直接あらゆる画材にて着色し、別途に消しゴムはんこを創作し、異素材にスタンプしパーツを創作します。スタンプしカッティングしたパーツを立体的に組み立てながら混合させた消しゴム板に組み入れていき全体像が3Dのように見える美術作品をイレイサーミクストメディアとしています。イレイサーミクストメディアは美術芸術作品となるため、文字の如く作品として美しく芸術的なものでなければなりません。作品全体のラインの滑らかさと繊細さを重要とし、さらに図案の美しさ、全体の構図、技法に至るまでのすべてにおいて重要視します。


★海外に出品された作品の制作は、子育てやびっしりとスケジュールが埋まったワークショップやイベントの合間を縫って手掛けられたとお聞きしましたが、時間のやりくりは大変ではなかったですか?

川治伴江さん: 年度初めにおおまかな年間スケジュールを立て、月、週、日ごとに家族や子供のスケジュールと照らし合わせながら計画の見直しをしているのですが、これらを見ていると、レッスンや講座のない日がまとまってあります。まとまった日に集中して作品創作をしているのですが「今日はここまでやる!」と自分自身に課題を与え取り組み次の日の持ち越しせずその日のうちに完成させています。計画通りに行う事で、気持ち的にも時間的にも比較的余裕をもって創作に取り組めています。

――インタビュー後半では2015年120本以上のワークショップ・イベントを手掛けた川治さんの原動力に迫ります。


川治伴江(かわじともえ): 北陸エリアを拠点に活動するイレイサースタンプ作家、JESCA公認講師。福井県・石川県を中心に「Le Ciel」の屋号でカルチャーセンターやサークル、イベントなどで消しゴムはんこやスタンプアートの教室を多数手がける傍ら、テレビや雑誌などのメディアにも多く取り上げられる。消しゴムを使用したミクストメディア作品を手掛けコンテストに入賞、入賞をきっかけに世界的なコンテストや展示会でも作品が紹介され「イレイサーミクストメディア」というスタイルで第一人者としての地位を確立。

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